パリ 10日 ロイター] サッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会決勝のイタリア戦で、退場処分を受けたフランス主将のジネディーヌ・ジダンは、イタリアDFマテラッツィから「卑怯なテロリスト」呼ばわりされていたと、人権擁護団体の「SOSレイシズム」が発表した。
同団体は声明文の中で、いくつかの有力情報によれば、マテラッツィがアルジェリア系移民二世のジダンを「卑怯なテロリスト」と呼んだのは明らかで、国際サッカー連盟(FIFA)に対し、原因究明の徹底調査を要求すると、語った。
真相はまだわかりませんが、このようなことがいわれる背景はあるのです。テレビの報道やワイドショーとかはあまりそこまでつっこんだものはみなかったです。
フォーサイスの『ジャッカルの日』の舞台となっていたのは、アルジェリアの独立をめぐるアルジェリア戦争です。ジダンの両親がいつ頃フランスに移民してきたのかはわかりませんが、二世であること、年齢的なことなどからすると、アルジェリア戦争の前後なのかもしれません。
さらに、アルジェリア移民としてのジダンは貧しかったようですし、イスラム教徒です。しかも、アルジェリアは、90年代初頭に多数派を形成してきたイスラム原理主義政党を、当時の政権が軍事的圧力により弾圧し、非合法組織とされてしまったイスラム原理主義団体がテロ活動をおこなうようになったのです。
以上の経緯もあって、アルジェリア人はフランスでかなり激しい差別にもあっているようです。こうした背景では、上記のような意見もでてくるというものです。でも、移民の問題はフランスだけではなく、欧州全域で違った形で現れていたりします。
ただ、この問題、対岸の火事というわけでもない気がします。
コメントする