非匿名SNSでの実名表記

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 千葉大学の校友会が在学生、教職員、校友を対象にしたSNSの試験運用をはじめている。ここは、登録時に本人確認と資格確認をおこなうので、この点においては、mixiのような匿名性はないともいえる。問題は、ある女性が、実名がつねに表示されるのは問題ではないかと管理者に質問したことから始まった。
 ともかく、当初、管理者は、健全なコミュニケーションの一点張りで、匿名のコミュニケーションはだめだという回答しかしなかった。なんとなく、どこかのマスコミの盲信か受け売りのような気配がしたので、ちょっとつついたら、案の定という感じで、匿名か実名か二元論的な思考であった。
# 参加者に実名を強制的に表示させるのに、管理者はだれか表示しないでよいというのもちょと変な気がする。


 だいたいなにが「健全なコミュニケーション」かがわからないし、じゃぁ、匿名ではそのようなものが成立しえないのかというと、そうでもなかろう。15年くらいインターネットでコミュニケーションをしてきたが、実名がわからない相手とコミュニケーションすることが、不健全なコミュニケーションといわれてしまうのは、どうもなっとくがいかない。つついてみてわかったのは、運営にタッチしている年寄りは、具体的になにが健全かなんてあまり考えていないということであった。匿名=悪の発想でしかなった。
# 鬱陶しいfjとかに参加しなかったことが不健全なのかもしれないorz

 すでにあちこちの議論でみられるように、匿名か実名かといっても、種々の次元の話があるので、きちんとどのレベルのものかを区分けして考える必要がある。トレース可能性という点でいえば、管理者が本人確認と身元確認をしている時点で十分に確保されている。この意味で、匿名性はないし、俗にいう荒らしはトレース可能性がないと思って悪口を働くのだということ(ここを管理者は強調していた)は、メンバーになる段階で相当程度問題がクリアされているといえる。


 それでも、このようなSNSでは、なお実名表記が必要だということも十分ありうる。要は、運営する側がそのコミュニケーション手段を提供するとき、どのようなポリシーをもって臨んでいるのかということである。そのようなポリシーがたんに匿名だといけないというのでは臭いものにふたをせよ的な発想でしかない。実名を表示させることがその場においてどのような意味をもつのかということをきちんと説明することが必要なのである。他方で、実名を表示させることの弊害を忘れてもいけない。やりとりをみるかぎり、弊害についてはおそらくまったく考えていないであろう。たとえば、SNSを利用してストーキングとか起きたらどうするつもりなのであろうか。
 さらにいえることは、ネットにおいては、各参加者は対等であるということである。とくに運営側にいたり、年をとっている人たちは、それだけでえらいとか、他の参加者はつべこべ言うなみたいな尊大な態度をとるのだが、そうではないであろう。コミュニケーションは、相手が参加することによって成立するのであり、一方的な押しつけによっては成り立ちえない。一定の方針のもとに参加してもらいたいのであれば、きちんと納得のいく説明をすることが必要なのだ。それがなされないかぎり、逃げられるだけである。
# ネットでのコミュニケーションでは、書いていることがすべてであって、その意味で、皆対等な立場にあると思われる。



 少し話がそれるが、ネットワークを通じたコミュニケーションでは、ルール・規則の妥当というものあり方を観察できるのかもしれないと考えている。法にしろなにがしかの規則にしろ、どうも日本では上からの押しつけみたいな感じで捉えられているきらいがある。しかし、掲示板でもSNSでも、そこでルールや規則がどのように成立し、妥当するのかということをみると、参加者の了解ということが大きな作用をなしているようみみえる。規範の妥当は規範制定のプロセスの正統性ではなく、規範に従う人たちの了解によって認められるということである。このあたりを社会学的に実証できるとおもしろいのだが、それは私の手に余ることである。

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このページは、Tetusya Ishiiが2007年2月10日 16:01に書いたブログ記事です。

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