平成20年度新司法試験合格発表をうけて

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 平成20年度新司法試験の合格者発表(9月11日)によると,本研究科では,受験者69名のうち34名が合格し,合格率は49.28%(全国平均:32.98%)という,全国74法科大学院中第7位の成績を納めることができました。

 一方,出願者ベース(本研究科修了生の出願者74名)では,合格率が45.95%,全国第6位となります。

 このように,昨年に続き良い成果を挙げることができたことについて,修了生諸君の健闘を称えると共に,今後も引き続き,充実した教育を行うべく努力する決意を新たにしたところです。

千葉大学法科大学院 -- NEWS



 ちなみに、今回も、未習のみの合格率は50%で、前回と同様僅かではあるが、全体の合格率upに寄与している。

 ただ、なんやかんやいっても、合格したのは、受験した人たちががんばったから。われわれは、アシストするだけでしかない。



 他校との相対的な比較はおくとして、合格者数が2100名を切ったということは、必要なレベルに達しなかった者が予想外に多かったということではないか、基礎的な力を法科大学院でもっと十分に修得させるべきとのメッセージのように思われる。得点分布等をみるかぎり、全体の得点が意外に低いことも確か。教える側としては、よりよい方向へ授業内容や環境を改善することが必要かもしれない。

 なお、試験問題は、刑法について、かなり事実認定に比重が移されている感じがした。夏前に自分で解答を作成していたので、夏休みに予備校のも含め入手可能な解説等をみてみたが、論ずべきことすべてに言及しているもの、解答にあたって考慮すべきこときちんと説明しているものは、ひとつをのぞいてほとんどなかったように思われる。


# だからといって、自分のものが妥当かどうかはわからない。





 不十分な、たんなる合格レベルではなく、最大限のレベルを明らかにしてもらった方が、指導する側も受験する側も、目標が明確になってよいように思われる。ただ、そうすると、試験に偏重しているといった指摘をうけることになるのであろう。難しいところである。

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コメント(2)

>合格者数が2100名を切ったということは、必要なレベルに達しなかった者が予想外に多かった

資格試験化してるなら、よい事だと思います。
ご自分の研究があるでのに、余計な心配や手間ばかりがあって大変だと思います。
でも、学生さんの結果がよくて重畳でした。「今年も良くて」というのに、「来年も良く」と期待されるのは、私なら「もう、堪忍して下さい」と泣いてしまいますので、(来年もまたさらに)がんばって下さいとは言えませんが…。

 2回試験の3桁不合格を回避するため、今年は司法試験レベルで厳密に考査したとの噂もあります。それゆえ千葉大の合格率は光っていますし、先生方の基本書読み込み重視の指導もよかったと拝察しています。m(_ _)m
 信じられないかもしれませんが、実務修習で、自白PS不同意のときは、法321条1項2号と答えたり、詰問すると苦し紛れに法322条1号と答えるレベルはドンドン落としてください。もちろん、2回試験で不動産の即時取得なんて解答しそうなレベルの受験生は1発で不合格にしてもらわないと困ります(汗。

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このページは、Tetusya Ishiiが2008年9月13日 10:52に書いたブログ記事です。

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