クリスマスに和風も洋風もあるわけでなく、たんに今年はクリスマス・ケーキをやめて、聖夜用和菓子にしたという次第。一幸庵で、クリスマス用の和菓子セットを購入しただけ。これなら、例年、あまったケーキの処理に苦しんでいるのも回避されようというもの。値段は、一幸庵の上菓子だけあり、ケーキ並です。
なかにはいっていたのは、色違いの帽子をかぶった雪だるま型の薯蕷饅頭ふたつ、ツリー型の栗をのせた羽二重餅、トナカイをあしらったそば入りの薯蕷饅頭、雪をあしらったようなきんとんです。
「きんとん」といっても、お正月のお節料理にあるものではなく、白あんにつくね芋を混ぜた練り切りのもとをこしだしたものです。ここのは、芋のかすかな食感を残す感じで、かつ、ふわふわ感というか、軽さを出したものでした。
惜しむらくは、箱書きに「蒸菓子」とあったので、全部薯蕷饅頭だろうと油断していたら、栗という理由で、羽二重餅をとられてしまいました。ふわふわ、もちもちのとろける食感だったそうです。
というのもしゃくなので、体調悪くて食事もすすまず、お昼ごはんがわりに買ったふだんのお菓子から。12月は、椿餅が羽二重餅でした。ついでに、わらび餅も。この店は、漉し餡にこだわりがあるようですし、ひじょうにまじめに作りましたというものです。椿餅の漉し餡も、わらび餅の漉し餡も、水ようかんとまではいいかなくとも、かなり柔らかめにこさえてあります。外側との関係かもしれませんが、わらび餅のほうがさらにやわらかだったように感じました。
椿餅は、ふわふわ・もちもち・とろとろで、餅と餡が口の中で一体となって溶けていく感じです。若干の難は、あまりにも餅を柔らかく仕立ててあるせいか、外側に錦玉羹をうすくかけてあるのですが、これが下側の椿の葉っぱに若干溜って固まっていたことでしょうか。その他があまりにも柔らかく溶けていくため、このわずかな塊だけが最後に口の中に残ってしまうのです。
わらび餅は、わらび餅独特のこしを残しつつ、柔らかく仕立ててあります。ぷっつん系、もちぃ〜系とは違うほろりととろけていくタイプです。全体にうすい甘さのはずなのに、甘さの余韻が残る気がします。
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