飴の続き。お皿の上部に六角形の形をしたものが,大文字飴のべっこう。ごくごく普通の飴です。このお皿の上にある飴の中では,比較的現代的なタイプではないでしょうか。それでも,昔食べた黄金糖よりも水飴(麦芽糖)の風味が強くでていると思います。なめた感じも,あっさり,すっきりしたものです。なお,この店は,京野菜の飴を売っていますが,それは,大学でいろいろな人に分けてしまいました。かなりきちんと作っているので,おおよそどのような野菜のものかがわかるようです。
最後に,小袋に入ったものが,御所飴のぜいたく飴です。御所飴は,三条大橋のたもと,木屋町あたりにあります。以前は,大袋のバラタイプがあったのですが,この冬には,このような小袋パックものしか扱わなくなったようです。通常の水飴ではなく,米飴をつかっているところが,ぜいたく飴の由来のようです。こちらは,大文字飴と幽霊子育て飴の中間的な味わい,風味でしょうか。
個人的な嗜好からすると,坂東飴,幽霊子育飴,ぜいたく飴,大文字飴のべっこうという順です。
# 御所飴では,レジのそばにふと,凍みこんにゃくとじゃこの佃煮がおいてあるのをみつけました。凍みこんにゃく自体食べたことがなかったのですが,おおよそスポンジ状になったものをもどす感じだろうというのは,想像がつきましたし,実際その通りでした。結構おいしかったです。でも,飴屋に凍みこんにゃくとは,あまりに違う組み合わせです。ちにみに,凍みこんにゃくは,近年,茨城のほうが有名ですが,もとは京都の丹波のものがそちらに伝わったものだそうです。
刑法学会の関西部会があった頃は,旧正月あたりだった思います。中国では,いまでも旧正月にお祝いをするようですが,その中国のお菓子で有名なのは,月餅です。で,その月餅と同じ漢字ながら,まったく独自に違うお菓子としてつくられたのが,月餅家の月餅(「つきもち」と読みます)です(なんと,強引なふり)。
月餅家の焼き菓子三種と十六夜。焼き菓子のうち、栗の形のものは、なかに栗が、芋の形のものは、芋餡が入っていた。いずれも、白あんをベースにしたの皮だけれども、蜂蜜の香りがした。芋は、芋餡と皮が一体となって口の中で溶けていく感じ。栗は、栗が入っているので、食感でもその存在を主張している。いずれも、栗と芋の残り香がしかりとあった。少々甘めではある。丸い形で芥子があしらってあるのが月餅で、小さい方である。こちらの方があっさりとした感じで、餡と皮が一体化している。栗と芋の皮がしっとりとした感じなのに対して、こちらは、少々ぽろぽろした感じであった。
きなこがまぶされているのが十六夜という粟餅。ぷよぷよとかもちもちとかではなく、どちらかというとさくさくとした食感。粟の粒がしっかりと残っている性であろうか。買ったときも、ご主人が奥できなこにまぶす作業をされていたが、あのような手つきでも崩れずにしっかりときなこがまぶされるのか思うくらい、食べた感じは柔らかであった。きなこはどちらかというと昔ながらのこくのあるタイプで、これが甘い餅とよくあっている気がした。
いずれも、庶民的なお菓子なのに、しっかりと丁寧に作られている味といえばよいのだろうか。
# 前回言及した吉水園の椎餅の写真をみつけたので,貼附。
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