ひさびさにドイツに行きました。バイロイトの知的所有権と刑法の会議は,かなりオモシロイ内容です。こういったものに参加すると,日本は,まだまだですね。
なお,会議で強調されたのは,刑法の基本的な理論や考えをきちんと踏まえて,知的所有権の侵害に対する問題を考えるべきだということです。また,弁護士や検事の人も,参加していますが,そういった人たちは,博士論文を書いて博士号を取得している人ばかりで,きちんとアカデミックトレーニングを受けています。なので,議論しても,きちんとして形になりますし,賛否はともかく,理論的です。知的所有権の側の人たちも,刑法の基本的なトレーニングがなされていて,議論がかみ合うのも興味深いところです。彼我の相違は,相当なものかもしれません。
付審判請求が刑訴で認められている、そして付帯請求が民訴で認められている
[From ロースクール日記:付審判請求と付帯請求]
ドイツでは,附帯私訴の制度がありますが,これは,部分的に日本にも導入されていて,犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律17条以下で,損害賠償命令の申立て制度が規定されています。つい先日,この初の判断がだされたはずです。そのほか,ドイツで,似てそうで似ていないものに,Nebenklageなんてのもあります。附帯私訴に対応させて訳せば,附帯公訴といったところでしょうか。民訴でいえば,訴訟参加ですね。著作権法では,著作権侵害罪について,Nebenklageの対象から外そうという動きがあり,問題になっています。
>弁護士や検事の人も,(中略),きちんとアカデミックトレーニングを受けて(中略),議論しても,きちんとして形になりますし,賛否はともかく,理論的です。
実務家と学者がクロスオーバする研究会では,実務法曹の中から,論理的整合性を欠いた結論先行型の論旨がブレブレ意見が出ることがあります。アカデミックトレーニングを履修するために,最低限で旧修士課程程度は身に付けておく必要性を痛感します。
実務家の大学院参加で附帯学習というわけですが,真摯に取り組まないと,惨禍と浮体になる危険が大きいかもです。(^^ゞポリポリ