6月1日は不作為犯の日

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 スパマーのPCがワームに感染すると、大量のウイルススパムがくるようで、メール受信に困難をきたしている今日この頃です。朝1限から4限まで四コマともなんらかの形で不作為犯を扱いました。法科大学院の経済刑法では、企業組織における刑事責任として、管理・監督過失からはじまり、刑法演習のシャクティ事件、大学院での不作為の因果関係、最後に不作為犯をテーマにした2年生むけ演習の復習ゼミ。そのなかで、印象的だった発言は、最後の復習ゼミでの2年生の発言。

刀で斬りつけるような作為による殺害は、刀を斬りつけることをやめれば、殺害の結果は生じない。斬りつけるか斬りつけないかという行為者の意思決定に被害者の生死がかかっている。不作為の場合も、この場合と同じように、助けるか助けないかという行為者の意思決定に被害者の生死がかかっている場合に、作為との同価値性があるのではないか。

 先行行為により原因を創出した場合には、基本的にそれを解消する義務があるから、全部殺人との同価値性を肯定してよいとの発言に対してなされたものです。

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