通帳詐欺は高裁レベルで有罪の判決が続々ですね。
銀行においては,口座開設を承諾するか否かにおいて,口座等の利用を口座名義人が行うか否かは,口座開設を承諾し,キャッシュカードを交付するか否かを判断する上での重要な要素になるというべきである。
奥村弁護士の見解 - 他人にキャッシュカードを譲渡する目的で銀行に対して自己名義で口座開設を申し込みキャッシュカードの交付を受ける行為は詐欺罪となる(仙台高裁h18.11.7)
誰が口座を利用するかどうかが口座開設で重要なら、だれが購入した酒類やたばこを飲用するかもやはり重要というべきでしょう。あるいは、18歳未満への販売を規制されている雑誌・書籍についても、だれがその雑誌や書籍を読むのかも重要でしょう。というわけで、この論理だけでは、未成年で自分で飲用するつもりなのに、成年の第三者(たとえば父親)が飲用するものと偽って(この点を明示しなくとも、未成年が購入する場合は当然その用途であることが前提となっているので、欺罔があるといえます)酒類・たばこを購入することは詐欺罪を構成するし、有害図書指定等により18歳未満への販売を禁止されている雑誌・書籍を18歳以上だと偽って購入する行為も、詐欺罪を構成することになるのでしょう。さらに、未成年への販売を禁止されている馬券(勝馬投票券)等についても、同様に解すべきです。警察の方々、がんばって、そういった行為も検挙してください。
授業でそういった問題点を指摘して、上記のような例を列挙して、詐欺罪の成立要件を論じさせたところ、あまり出来は良くなかったです。ついでにいえば、原因において自由な行為の法理で、例外説と間接正犯類似説それぞれの故意と意思決定に関する考え方の相違とか、かなりしぶとくやったつもりでも、聞き流されている感じだし。不真正不作為犯にいっては、親子関係における作為義務の基礎づけとひき逃げの運転手の作為義務の基礎づけの違いをきちんと理解できていないとか。たとえ、客観的状況として排他的支配(みたいな:偶発的に生じたようなものを排他的支配とはいわないと思うのですが)状況があっても、それだけで作為義務があるなんて、おかしいと思わないのかと、くどくいったつもりだったけど。子供がおぼれている現場にいる野次馬にも、排他的支配みたいな状況はあるので、全部殺人罪にするのでしょうか。 採点をしながら、自分の授業のへたさかげんに自己嫌悪している週です。
通帳詐欺の事案を調べる術がないのですが、通帳詐欺は地裁レベルでも有罪判決がたくさんあるようです。
気がついたら有罪の高裁判決も幾つか出そろっていました。
奥村の事件は、児童ポルノ製造罪と児童淫行罪との罪数問題(一事不再理とか二重起訴とか管轄違に派生する。東京高裁と大阪高裁が違う。さらに札幌高裁3/8)もあるので、どうなるのかわかりません。
キャッシュカードを交付する?
きょうiusがここで開設したかったの♪
きょうは銀行を判決するつもりだった。
strafrechtがここで開設♪
iusは、ここに詐欺するはずだったみたい。
iusは、開設しなかったよ。
strafrechtがキャッシュカードを交付するのかな?
キャッシュカードを交付するのかー