法益侵害状態が継続する間、犯罪が継続して成立するものをいうとか。挙動犯でみれば、行為が継続するかぎり、犯罪が継続することになる。でも、最近は異論が多い。
例えば、所持罪について、所持の開始のみが行為であって、それ以降は支配状態の継続という結果が存続しているにすぎないという見解がそれ。でも、じゃ、なぜ、法益侵害の解消が行為者の行為に左右できない事情によるときも、それによって、犯罪の成立範囲が異なってくるのか、説明できるのだろうか。
こんな考えを発展させていくと、所持の開始時点でのみ責任能力があればよいので、それ以降、意識喪失状態(脳卒中で意識が戻らないとか)になっても、ずううと犯罪が継続することになる。やはり、意識喪失状態になったら、所持はないのじゃないか。このような見解は、所持といってもつねに握持しているわけではないとかいうけど、それも行為の意味が違うよね。
所持罪にしろ、継続犯というのは、侵害法益の特殊性から、法益侵害行為という作為と法益侵害を解消しないという不作為の結合した犯罪形態とみた方がよいのじゃないのか。