Digital forensicsの教育と研究

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 芸能人ではないけれど、お正月はハワイにいってきました。おかげで、帰国後、累積した仕事の処理に追われまくっています。ハワイといっても、遊びではなく、一応、Hawaii International Conference on System Scienceというところに参加してきたわけで、毎日晴れていたのにほとんど日焼けもしていないはずです。
トラムボート 場所はHilton Waikoloa Village Resortで、ハワイはハワイでもハワイ島(The Big Island)で、よくいくオアフ島とは違いました。このリゾートホテルは、大きな会議場を備えているだけでなく、宿泊のための建物が三つあり、メインロビーからそれぞれの建物や建物間の移動には、トラムやボートを使うというおもしろいところです。

夕陽 ついでにいえば、日本語が通用するくらい日本人が多く滞在するホテルのようでしたが、同時期の日本人の支払うホテル代の4分の1から5分の1で、正面に日没がみえるオーシャンビューの最上階の部屋に宿泊できたので、そんなに文句もいえないところかもしれません。日本の旅行代理店はぼったくりです。

 そもそも、参加したのは、Digital Forensicsに関して共同研究している人たちのトラックがあり、その運営をちょっとだけ手伝ったからです。そこでのテーマの半分が教育であり、残り半分が研究です。
 教育については、各教育機関のカリキュラムやコースの目的などから、運営上の工夫が紹介されました。空軍や陸軍の大学院レベルの専門職養成プログラム、アカデミックプログラムなどもあり、かなり興味深いものでした。
 そのなかで、注目すべきなのは、どのカリキュラムにおいても、コンピュータサイエンスや技術に特化したカリキュラムではなく、Digital forensicsをForensic Scienceの一分野としてとらえ、学問的な体系化のもとにカリキュラムが構成されていることです。日本のデジタルフォレンジックの話は、ほとんどが技術的・実務的な話だけであり、そもそもが法科学の一分野であるということがまったく無視されているのとは対照的です。このあたりを改めないかぎり、日本では、この分野の学問的発展は望めないかもしれません。


 あとおもしろかったのは、ミシシッピーの人たちのキーワードが"Workload is increasing."で、教育プログラムではその解消のための人的リソース拡大の方策を提案し、ソフトによる解決ではモデリングを導入してリソースの有効利用を図り、ハードではFPGAを使ってがりがりやるということを提案していることや、オーストラリアは、欧州の伝統があるのか、認証をやたら重視するというところでした。
 最後の日のディナーは、特別にホテルのLuauが催されて終わりました。ポリネシアの流れなのか、ニュージーランドなどのハカに似たパフォーマンスがあったのが印象に残っています。luan

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このページは、Tetusya Ishiiが2007年1月19日 03:18に書いたブログ記事です。

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